年頭所感

新たな年を迎え謹んで新春のお慶びを申し上げます。

昨年10月に環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉が大筋合意されました。これにより、締約国間における知的財産に関わる手続や権利行使ルールの共通化、模倣品・海賊版対策の強化等を通じて、優れた知的財産を有する我が国企業等の海外展開が活発化することが期待されています。11月の内閣府知的財産戦略本部会合においても、知財関連法の整備、TPPを活用した中堅・中小企業の海外市場開拓、我が国コンテンツの海外展開、イノベーションの源泉となる知財教育の推進等の支援策が取りまとめられ、今後、こうした知財を取り巻く環境の変化に対応したビジネスモデルの構築や経営戦略の策定が重要となると考えます。
 当協会は、長年にわたって特許庁の外国産業財産権制度支援事業を実施し、研修生の累計は5,000人を超えるまでになりました。こうした活動により培ってきた海外の知的財産実務専門家とのネットワークを活かして、海外で知的財産活動を行う我が国企業等に有益な情報を提供して参ります。そのため、外国産業財産権管理マニュアルの充実はもとより、我が国有識者と海外専門家とのさらなる交流に取り組んで参ります。
 知財人材の育成につきましては、昨年開始した知財ist研修に加え、顧客からの個別の依頼に応じたオーダーメイド研修の充実を図り、出版事業・公報等情報普及事業とともにサービスの拡充に努めます。
 さらに、全国47の都道府県において中小企業等の知的財産に関する悩みや課題を解決する窓口相談支援事業につきましては、各県の窓口との連携のもとに、引き続き中小企業等のイノベーションの創出に寄与して参ります。
 当協会といたしましては、以上のように本年も皆様からのご要望に沿いながら、知的財産権制度の普及啓発、イノベーションの創出等に一層寄与すべく努めて参る所存でございます。
 本年が皆様にとりまして実り多き一年となりますことを心より祈念いたしますとともに、引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願いを申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人発明推進協会
会 長  山 口 範 雄

  1. ホーム >
  2. 年頭所感