発明協会東京支部会員弁理士知的所有権研究会
 会長  浅 野 勝 美


「東知研」会長就任のご挨拶












◆此度(平成20年5月)「東知研」の会長に就任しました浅野勝美でございます。
「東知研」というのは、正式には「社団法人発明協会東京支部会員弁理士知的所有権研究会」と言い、東京支部所属の会員弁理士により組織する東京支部の附置機関です。平成元年11月に発足しましたので今年で創立20周年を迎えます。本会は主に実務的な観点から時宜に即したテーマで研究会を定期的に行っており、また初代唐木会長以来発明協会の諸事業に対して積極的に協力参加するとともに、東京支部所属の企業会員との交流を深めて発明協会の更なる発展に寄与してまいりました。

◆私は創立以来一貫して本会の研修を担当してまいりましたので、この大任をお引受けしてからもやはり研修重視の姿勢で会を運営してまいりたいと存じます。「実務」というと理論より一段格下のようにみえるのでありますが、理論は元来個々の現象や事実つまり実際の事務を体系的に説明するものですから、上下の関係などあろう筈がありません。知財の世界では理論より実際の仕事の方が先行する傾向がありますから、むしろ「弁理士実務に精通」するということは通常の場合より一層困難な仕事となるのです。我々は常に悩みながら「芸を磨いている」存在でありまして、私が研修を重視する所以であります。

◆平成20年4月より施行されています改正弁理士法により弁理士には「継続研修」が義務付けられました。所定の期間毎に所定単位の研修を受講しませんと業務の禁止を含む所定の処分が課されます。これにより弁理士の資質の向上が図られる訳です。
 この法定研修を行なう機関は原則として日本弁理士会研修所ですが、例外的に「外部機関」として認定されれば、その機関が行う研修を受講した弁理士は所定の手続の下研修ポイントが付与されます。そこで私は「東知研」がこの「認定外部機関」となるべく申請していましたが、此度(平成20年11月)目出たく大臣認可を経た弁理士会会長承認を取得することができました。今後「東知研」の行う研修は原則「継続研修」とするよう努め、多忙な会員弁理士あるいは一般弁理士のお役に立ちたいと考えておりますので、よろしくご参加ご協力頂けますようお願い申し上げます。

◆次に、平成21年4月には2008年4月15日発明協会東京支部創立70周年記念並びに東知研創立20周年記念講演会が開催されます。「東知研」はこのビッグイベントに全面的に協力し、本事業を実施します。詳細は別途東京支部から発表されますが、わが日本の知財発展、産業発展、さらにはより良い未来世界の構築に貢献できますよう会員一同精一杯努力する所存です。概略を申し上げれば、記念講演会は基調講演とパネルディスカッションからなり、斯界をリードする学者先生と、実務界、発済界、代理人の立場を代表する夫々の分野のエースに登場して頂き活発な討論とご提言を頂戴する所存です。

◆「東知研」はこのように単なる弁理士の勉強会に止まらず、発明協会の発展のためはもちろん、広く内外の知財業界への貢献を果たすべく精励する所存です。これによって弁理士の実力陶冶と品位向上が図られ、皆様方の弁理士に対する一層の信頼と尊敬を得ることができますことを念じつつ、就任のご挨拶に代えたいと存じます。